2025年11月 景気短観
2025年11月の景気判断です。
10月で弊社も第59期の決算を迎えました。
昭和41年の創業依頼、域内の精密機械加工事業社の皆様に支えていただきましたこと、改めて御礼申し上げます。
しかし、県下の精密加工事業は厳しい局面に立たされているのが実情です。10年前、20年前と比較しても要求される項目(精度・納期・管理)が上がったにもかかわらず、それに伴うコストは削減を強いられる例が多く、国内産業が海外で競争力を確保するための犠牲がこの部分に集約されているのではないかと推察されます。
金属材料による精密機械加工は今後もメイドインジャパン製品を支え続ける屋台骨のひとつであり続けるであろうと思われますが、決して無風状態で右肩上がりの成長産業だったわけではなく、昭和の神武・岩戸・イザナギ景気で広がった拡大局面はその後のオイルショックやドルショックなどの荒波に揉まれ、その後は海外との価格競争など、日本経済とともに荒れ狂う海を業界一体となって乗り越えてきた歴史そのものです。
中でも弊社の主要取引先が多く拠点を構える長野県の中・南部地方は第二次世界大戦での企業疎開地として、また良質な水源の確保、戦前より世界で高品質を謳われた繭糸産業に携わった土壌があり、精密機械加工分野において国内有数の生産力・技術力を持った地域として知られております。
取引先様からの話を聞く限りでは、まだ厳しい状況が続いておりますが、弊社仕入先からは特定の鋼種において生産調整局面に入るほどの受注を受けている話も出ており、先行きに楽観視はできませんが、何らかのキッカケは掴めるのではないかと感じております。
折しも日経平均は高市新首相就任後に5万円台に乗りました。マーケットも好意的に捉えている現状は、製造業界にとってもプラス要因のひとつとなるでしょう。弊社としても60年目に向けて好機を捕らえ、良い報告がひとつでも多く発表できるよう地域のユーザー様のために尽力いたします。
※ここに記載している景況判断はあくまで弊社売上・営業活動による地域情勢を元に記載しており、過去の事例や今後の見通しについての保証はいたしかねますのでご了承ください。